あらすじ(公式サイトより)
無類のギャンブル好きなゴウ(沢田研二)は妻の淑子よしこ(宮本信子)と娘の歩(寺島しのぶ)にも見放されたダメ親父。
そんな彼にも、たった一つだけ愛してやまないものがあった。
それは「映画」−−− 。
行きつけの名画座の館主・テラシン(小林稔侍)とゴウは、かつて映画の撮影所で働く仲間だった。若き日のゴウ(菅田将暉)は助監督として、映写技師のテラシン(野田洋次郎)をはじめ、
時代を代表する名監督やスター女優の園子(北川景子)、
また撮影所近くの食堂の看板娘・淑子(永野芽郁)に囲まれながら夢を追い求め、青春を駆け抜けていた。
そして、ゴウとテラシンは淑子にそれぞれ想いを寄せていた。
しかしゴウは初監督作品の撮影初日に転落事故で大怪我をし、その作品は幻となってしまう。
ゴウは撮影所を辞めて田舎に帰り、淑子は周囲の反対を押し切ってゴウを追いかけて行った・・・。あれから約50年。歩の息子の勇太(前田旺志郎)が、古びた映画の脚本を手に取る。
その作品のタイトルは、『キネマの神様』。それはゴウが初監督の時、撮影を放棄した作品だった。
勇太はその脚本の面白さに感動し、現代版に書き直して脚本賞に応募しようとゴウに提案する。
最初は半信半疑で始めたゴウであったが、再び自身の作品に向き合う中で、
忘れかけていた夢や青春を取り戻してゆく−− 。これは、“映画の神様”を信じ続けた男の人生とともに紡がれる
愛と友情、そして家族の物語。
鑑賞情報&満足度
観賞日 2021年8月13日(金)18:45
109シネマズ川崎 シアター10
30人くらい/72席 50歳代以上多め、男女比同じ
| 期待度 | ★★ |
|---|---|
| 物語 | ★★★ |
| 演出 | ★★★★ |
| 配役 | ★★★ |
| 満足度 | ★★ |
監督、キャスト
監督:山田洋次(『男はつらいよ』シリーズ)
出演:沢田研二(円山郷直)、菅田将暉(若き日のゴウ)、宮本信子(円山淑子)、永野芽郁(若き日の淑子)、小林稔侍(寺林新太郎)、野田洋次郎(若き日のテラシン)

感想(ネタばれあり)
もともと志村けん主演で製作がスタートした本作です。それを沢田研二さんが引き継いだわけですが、最初から最後まで沢田さんの存在が悪い意味で、気になってしょうがなかったです。
酒とギャンブルに溺れるダメおやじの蘇生物語なんですけど、あのゴウがこんなになってしまう?というのがずっと頭の中にあって、スムーズに映画に没入できませんでした。演技の上手い下手を語りませんが、沢田さんはミスキャストのような気がします。
過去と未来を行き来する作品で俳優が変わる場合は、どちらを贔屓してみるかでそれぞれ感想が変わりますよね。
映画のつくりは山田監督作品という安心感があります。
最後にコロナのことにも触れ、さるげなくエンターテイメント界の危機を訴えるシーンはさすがでした。
ここからネタばれあり。
前段でも書きましたが、ひとりの役を時代によって複数の役者さんが演じることの難しさを本作でも感じました。
特に淑子についてですが、役者さんというよりキャラまったく違うものになった印象です。
ゴウのことが大好きということには変わりなくゴウを支えていくわけですが、若かりし頃は𠮟咤激励がそこここにありました。しかし年老いた淑子にはそんな感じもなく、ただただゴウを甘やかしている。なんでこんなになってしまったのか、残念でなりません。若いころのままの淑子だったら、みじめな老人になり下がったゴウは存在せずそもそも物語としてなりたっていないでしょうね。
菅田将暉さんと永野芽郁さんはよかったです。ただし永野さんは似たような役柄が多いので、もっと別の面も見てみたいです。
野田洋次郎さんは演じているのを初めてみましたが、実直な役回りがぴったりとはまっていました。菅田さんとのやりとりにも違和感なかったです。
そんな中でもっとも輝いていたのは、リリー・フランキーさん。いつも思うんですけど、テレビの司会進行でも映画出演でも滑らかなんですよね。どこにいても素なんんじゃないかと思う存在感はすごいです。
ラストシーンはまぁそうなるだろうなと私を含めて観ていた人たちは予想していたでしょうね。
意外性よりも期待を裏切らないものに落ち着いた感じで小説的でした(原作未読ですので、一般論とし)。
たらればですが、志村けんだったらもっとすごい作品になっていた気がします。

