クレッシェンド 音楽の架け橋

ヒューマン

あらすじ(公式サイトより)

世界的指揮者のスポルクは、紛争中のパレスチナとイスラエルから若者たちを集めてオーケストラを編成し、平和を祈ってコンサートを開くという企画を引き受ける。オーディションを勝ち抜き、家族の反対や軍の検問を乗り越え、音楽家になるチャンスを掴んだ20余人の若者たち。しかし、戦車やテロの攻撃にさらされ憎み合う両陣営は激しくぶつかり合ってしまう。そこでスポルクは彼らを南チロルでの21日間の合宿に連れ出す。寝食を共にし、互いの音に耳を傾け、経験を語り合い…少しずつ心の壁を溶かしていく若者たち。だがコンサートの前日、ようやく心が一つになった彼らに、想像もしなかった事件が起きる――。

鑑賞情報&満足度

観賞日 2022年1月30日(土)13:40 公開3日目
チネチッタ チネ9 50人弱/154席

期待度
物語★★★★★
演出★★★★★
配役★★★★★
満足度★★★★★

監督、キャスト

監督:ドロール・ザハヴィ
出演:ペーター・シモニシェック(エドゥアルト・スポルク)、サブリナ・アマーリ(レイラ)、ダニエル・ドンスコイ(ロン)、メフディ・メスカル(オマル)、ビビアナ・ベグラウ(カルラ)

 

感想(ネタばれあり)

音楽系映画というレベルの情報のみで、他の予備知識なしで鑑賞。
国家の争いが個人間にまで影響を与える。頭の中ではわかっているものの映像で突き付けられると、言葉を失う。
異なる価値観、生活をしているだけではなく、互いにいがみ合うことを隠すこともないメンバーでオーケストラを編成し、平和の象徴として演奏会を開催しようとする。当然のことながらかみ合わないどころか、人に見せられるレベルには程遠い。それでも衝突しながら、徐々に距離が近づくメンバーたち。これだけ書くと、過去にもこんなのあったな、アニメや漫画でもよくあるテーマだよね、って感じになってしまう。しかしこの作品は最初に書いた通り、単なる好き嫌いではなく、背景にあるのは殺し合い。どうやってまとめ上げていくのか、観ていながら不安であり、ドキドキもする。
どこをとっても素晴らしい作品でした。
気になるのは開始直後のシーン。ある意味結論であり、ネタバレ。そこにどのように向かっていくのかということを意図としているのであれば、あまり意味がないかな。後半にこのシーンに近づいていくのがわかるけれど、気持ち的な盛り上がりには乏しい。

ここからネタばれあり。

途中で語られる自分の周りの話。顔の見えない人からのネタ話ではない。その話を聞いたメンバーは言葉を失う。その後マエストロがまた戦争を望むか、と問いかける。多くの者はNoと答えるが、Yesと答える者もいる。そのこと自体に対して、非難することはない。Noと答えたとしてもそれが正解かどうかは誰にもわかないし、明日にはYesに翻意しているかもしれない。

そして最後の空港でのシーン。どうなるかわかってはいるけれど号泣。このラストシーンは永遠に語られてもいいと思います。

私がこれまで観た何100本の中でも本作は5本の指に入る素晴らしいものでした。
もっと多くの劇場で公開してもらいたい!

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